prologue

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「……!!……静かに……!!誰か来るよ」 小声で彼にだけ伝わるように告げる。  ――まずいな。僕達じゃ見つかったら殺られる……。考えよう。僕達が生き残る術を。それができるのは僕だけなんだ。 「……見つかったら終わりだよ。このままここに隠れよう。少しは時間を稼げるはずだ」 僕の言葉に素直に頷く長谷川直希。  ――どうしようどうしよう。 ダメだ落ち着け冷静になれ。  ――命が掛かってる……? 関係ないそんなのいつもと同じじゃないか。  ――僕の所為で仲間が死ぬ? いつもはもっと大勢だ。クラスの全員の命を預かってるんだ。  ――でも今回は人数も少ない。 違う。まだ道は残ってる。  ――大人数で生き残るための作戦しか考えてこなかったじゃないか。 落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け。 「なあ、怜弥」
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