4人が本棚に入れています
本棚に追加
「いたぞ!!フォレントの学兵だ!!」
――見つかっちまったか……。さーて、怜弥も十分遠くまで逃げたことだろうしな。時間は稼げたさ。だが、本当に無事かどうかはまだわかんねえからな。敵の人数は……五人、ね。……これは……死んだかな。でもま、ただじゃ死なねえけどな。
「何を笑っている!!」
――俺、笑ってんのか。これから死ぬっていうのに随分と落ち着いてる。
「どうしますか?」
「当然だ、すぐに殺せ」
――そんな会話が聞こえる。魔力、足りっかな。
「俺は禁忌の家系『長谷川家』の長男だ」
「!?……それは本当か?」
「証拠ならこれから見せてやるよ。いくぜ。禁忌魔法!!」
少年はそう呟き宙に魔法陣を描いていく。
「させるな!!《ファイアアロー》」「《アイスアロー》」「《サンダーアロー》」「《ウィンドカッター》」「《ストーンニードル》」
全ての魔法が直撃したはずの少年は倒れずに魔法陣を描き終える。
直後、周囲の温度が急上昇する。
「ここは通さねえよ。俺のこの、命に代えてもな。――発動」
最初のコメントを投稿しよう!