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中に誰かが居る事を確認した僕はドアに手を掛け、ゆっくりと開ける。
ドアの開く音に反応してこちらを振り返った人物に、僕はとてもよく見覚えがあった。
「よお、久しぶりだなぁ!怜弥!」
「あす……か……!?」
「や……っと戻ってこれたぜ!元気だったか?」
そう僕に問いかける目の前の少年。
整髪料などで整えている髪は短く、ツンツンと立っている。そして髪が長ければ女性に間違われるであろう顔立ちをしている。
簡単に言えば、イケメンなのだ。
そんな彼の名前は小鳥遊 飛鳥(たかなし あすか)。僕の幼馴染だ。
いろいろな理由があって、この学園に通っていなかった。
「今日から同じクラスだ!よろしくな!」
「飛鳥がなんでこのクラスなのかな?君ならもっと上のクラスに入れるだけの実力を持っているだろう?」
正直、飛鳥がこのクラスというのは納得いかない。僕は彼以上の才能を持っている人間を見たことがない。
それに、飛鳥ならこの学年トップにも負けない力を持っているはずだ。
なぜ、このクラスに?まあ、理由ならなんとなくわかるんだけど。
「ん?お前と一緒さ!俺はこの国の為に死ぬ気なんかさらさらねえからな!」
国に対しての忠誠も何もない発言をさらっとしてからハハハと笑う飛鳥。
「……君の事だ、そうだと思ったよ」
「だから!このクラスのやつらの事を教えてくれ!」
……全く飛鳥は……不思議なやつだな。
「マイペースなやつだな。昔から飛鳥は……。いいよ説明しよう、まずは……そうだな、長谷川直希」
そう言って僕は持っていた花束を昨日までここに座っていたクラスメイトの机に置いた。
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