第一章

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 彼の年齢は今年で150歳。生まれてから150年経てば、人間だったらとうに墓の下にいることだろうが、『妖精』としてのその年齢は、まだ若い年齢に該当する。周りと比べるとやんちゃなお年頃とさえ言われるほどだ。  そんなフレアには、他の『妖精』とは大きく異なる特徴があった。  まず、一般的な『妖精』は絶対と言っていい程怒ることがない。だが、フレアはあまり気が長いほうではない。店でラーメンを注文して30分待っても出て来ない場合、いつまでも待ち続けるのが『妖精』。キレるのがフレアだ。そもそもほとんど食事を必要としないのが『妖精』。一日五食、一食あたり五人前は軽く平らげるのがフレアだ。
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