序章
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――終わり、なのか…… 黒煙の立ち込める中、男は吐き気すら忘れ、震える足で立ち上がる。 立派な髭を蓄えたその男は豪奢な外套を羽織っていた。 背中には一つの紋章。 この国の住人ならば必ず一度は見たことのある鷹の刻印。 それは、王家の血筋に連なる者のみが背負うことを許される特別な象徴だ。 しかし、今や男の服は血に塗れ、所々が擦り切れてしまっている。 満身創痍、そのものだった。
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