序章

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例えば、いつも『人間』より優位に立っている彼らから。 永い寿命、丈夫な身体、大きな力を持った彼らから――。 今まで敵うことのなかった相手。 勝てることの出来なかった相手。 解り合うことの出来なかった相手――。 『妖精族』と戦う。 『人』は次第に決意してゆくのだった。 研究は、ささやかに始められた。 『妖精』を殺すことの出来る兵器を開発する研究だった。 『人間』はフラスコの中に夢を浮かべた。 肉体的にも、精神的にも、『人間』を遥かに越えた上等種。 彼らにはない強い欲望の心だけが、彼らを越える唯一の手段であると信じて。 そして、数年後、『人間族』の侵略が始まった。
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