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「イチゴジャムとって」と、一番目の姉。
「背中のファスナーしめて」と、二番目の姉。
「生理用ナプキン買ってきて」と、三番目の姉。
「生理用ナプキンなんて、売るほどあるだろ」弟が叫ぶ。
「なにいってんの。メーカーによって全然が、違うんだから」
「そぉそぉ」
「わかるわかるー」
オサベ・ユキオ、十五歳。高校一年生。
十一月の寒空の下。早朝からコンビニに向かって、ひた走る。
だがそれは、姉を愛しているからでは決してない。ただ単に、金銭的な目的である。
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