最終章

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大切な人へ。 涙を忘れてしまっていたら、 きっと僕はつまらない人生を送っていただろう。 思い出させてくれてありがとう。 今はむしろ泣き虫になってしまったよ。けど、嬉しい。 泣けるということは実はとても幸せなことなんだ。 泣くほどの出来事に出会うことは、生きてる上で限りなく喜びに近いんだ。 何もないということこそ本当の悲しみ。絶望。 だから、嬉しいときも、悲しいときも、苦しいときも、起きてることはみな幸せなことだと。そう、思える。 僕は些細なことで泣いている。生きてる実感が嬉しくて泣いてしまうのだ。 歌を歌うこと、歌があること、音楽があること、泣けること、嬉しいと思うこと、辛くても今を生きているということ、悲しむこと、怒ること、怖くなること、寂しくなること、そばにいてくれる人が居ること、あの曲が世の中に生まれたこと、それが僕の耳に届いたこと、それが僕の心まで届くこと、あの人とかあの人とかあの人と出会えたこと、あの人とかあの人とかあの人とかの血を受け継いでいるということ、それを誇れる自分が居ること、いくらでも成長出来ること、一生の時間の短さに気付けたこと、それを大切にしたいと思えること、それをもって幸せにしたい人が居ること、季節の移り変わりを肌で感じること、体が疲れること、自分を大切に思ってくれる人が居ること、ずっと大切にしたい人が今も遠くで元気でいてくれていること。。。 世界は喜びに満ち溢れている。 どれだけ辛かろうが、キツかろうが、悲しかろうが、恥ずかしかろうが、たとえ将来が絶望に変わったとしても、もうこの喜びの世界から逃れたいなど思えない。 思ったとしても、そいつはお遊びだ。 もう終わった。 もう迷わない。
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