歩行者用交通信号機。

7/8
前へ
/24ページ
次へ
彼と出会ってから、僕は信号待ちの時は赤信号の間の秒数を数えることにした。 家から一つ目が46秒、 二つ目が35秒、 三つ目がちょうど1分、 四つ目が33秒間の赤信号。 幸せのための計画的犯行だ。 幸せは作るものなのかもしれない。 それでも僕は信号無視をすることはなかったし、彼ももう何も言わなかった。 彼と一緒に歩いていて赤信号になった時は、僕が信号で止まり、彼は赤信号を渡って、向こう側で僕を待つ。 僕が、「どうせ待っているなら同じことじゃないか。」と言うと、彼は、 「信号で待つのと、友達を待つのは違うだろ。」と言った。 僕は何も言えなかった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加