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───その日、羽田空港に一便の飛行機が滑走路に着陸した。
空港は慌ただしくなっていた。事件によって傷心し、家族共々日本を離れて安らぎを求めて旅行に行くもの。はたまた行きたかった国が基“反日”だったと言う事で悪影響を及ぼすとされ、旅行が禁止になった件について、抗議する者やチケットの返金に追われる者など、チケットセンターは騒々しくなっていた。
そんな中で着陸した飛行機から乗客が次々と降りてくる中、一人の女性が姿を現し、動乱に見舞われた日本の空を見ていた。
女性は一息吐いて呟いた。
「・・・三年間か・・・長くて短かったな」
女性は呟いた後、その場を歩き出した。
この時まだ彼女は知らなかった。この三年間に日本に外観を変えるほどの大事件が起きていたことを。
空港に着いた際、騒乱となっていた場所を避けターミナルに辿り着いた際、出迎えてくれたのは、あの事件での際、秋葉原で起こった大暴動と暴動を引き起こした首謀者を追いかけた、一人の女刑事だった。
刑事の顔を見て彼女は昔を懐かしむように明るく話しかけた。
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