史上最悪のBirthday

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暫く走って、疲れたあたしは立ち止まると近くの植え込みの小端立てに座り込む。 ――――綺麗な女の人だったな。 優しそうで……父さんの再婚相手――……。 あいつ…… あの嫌な男、なんで家に? あいつも家族になるの? どうして父さんはあたしに相談もなく、勝手に決めちゃったのよ…… 再婚するくらいなら、あたしとの時間をもっと作ってくれたら良かったのに。 大きくため息を一つ吐くと、あたしは立ち上がった。 「帰りたくないし、今日は漫喫にでも泊まるしかないか…」 そう呟き、駅の方へ向かって歩こうとした時だった。 「彼女、一人ぃ~~~?」 スウェットを着た、ちょっとイカツイ二人組の男が歩み寄ってきていた。 「可愛いじゃーん。俺らと遊ばない?」 どう見てもただのナンパだけれど… 辺りを見渡すが、あたしと彼ら以外、人の姿は見えない。 誰かが通る気配も感じられない。 大きな道路からは、少し離れた小さな路地。 街灯も少なく、薄暗い。 近くには小さな児童公園しかない。
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