史上最悪のBirthday

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「君、いくら?」 口を開く度、酒のにおいと、煙草のにおいが混じったような、独特の嫌な臭いが漂う。 「はぁ!?」 オヤジの意味不明な言葉に、顔をしかめながら聞き返す。 「君なら希望額、出してあげてもいいよ。」 オヤジの顔がいやらしく歪み、あたしの身体を嘗め回すように見た。 (――――何言ってんだ、このくそオヤジ!) 「援交待ちじゃねぇよ!!」 苛立ちながら怒鳴り、オヤジから離れようとした時だった。 汗ばんだ手で腕を掴まれ、オヤジが身体を密着してきたのだ。 同時に臭い息が顔にかかる。 「うぇっ。」 咄嗟に息を止め、掴んでくる手を振り払おうと腕を振る。 「こんな所に居て援交待ちじゃないなら、何ぃ~~~?デブは嫌い?」 そう言いながらオヤジは力を強め、腕を振り払わせようとしない。 自分ではどうする事もできず、周りに助けを求めようと辺りを見回した。 けれど、こちらを見ているくせに、誰もが見て見ぬフリをして通り過ぎて行く。 関わりあいたくないという気持ちが顔に表れているようだ。
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