道郷の矜持

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かつて摂政職にあった真原氏長者道郷、天下を睥睨し公卿ら近習達の前で詠みし和歌あり。 「極むこと 我世にありし 夜を照らす 月影上がれ 思いのままに」(私は最高の栄誉にある身だ。夜を照らす月の光よ上がっておくれ、私の思いのままに)。 この和歌は時の世情をよく現していた。 そして権門真原北家を今脅かす存在はなかった。
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