立花帝の皇子達

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第一皇子実弥、立太子礼を受けて東宮となり、立花帝は四十歳にして譲位なされた。 実弥、十五歳にて践祚。 即位礼後は向陽帝になられた。 前の真氏長者小野家の娘、采配蘭院と号し皇太后となられた。 先帝、第二皇子に因公宮、第三皇子に勢公宮、第四皇子に予公宮、第五皇子に賀公宮、第六皇子に豆公宮と宮号をお与えになっていた。 因公宮は真氏長者小賀家の娘と婚姻し、一家をなした。 向陽帝、眉目秀麗なり。 皇后として右大臣真原朝臣詮山院家の娘をお立てになり、中宮に播磨源家の娘を、更に女御、内侍の類数知れず。 しかるに、帝虚弱であられなかなか皇子は誕生しなかった。 帝、十九歳にして初子第一皇女、翌年第二皇女が生まれ、更に帝、二十三歳にしてようやく皇子が誕生した。 この間先帝、向陽帝に皇子なくば因公宮を東宮に立てようとなされるも、帝の近習らこれに反発し取り止められた経緯あり。 因公宮には順調に王子が生まれていたゆえ先帝がそう考えになられても不思議ではなかったのである。
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