第三章 愚弟

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僕は両親の愛を知らない・・・   駅のホームまで 見送りに来てくれたのは おばあちゃんだけだっだ おばあちゃんだけは 僕に優しかった。 いつでも味方で居てくれた 本当に、おばあちゃんには 感謝している。 専業主婦の母親は 家に居たのに 「いってらっしゃい」 の一言も無かった。 父親も兄も最近 話をしていない。 父親は公務員 一番上の兄は 地元の優良企業に勤務 二番目の兄は 東京の名門大学生 末っ子の僕は 東京下町の町工場就職 昔から僕だけ出来が悪かった 何をするにも優秀な兄と比較された。 勉強も運動も出来ない僕は 家族の中では居ない者と されて生きて来た。 だから、こんな家族の 中では会話など無く 両親に遊んでもらったことなど 一度もない。 この家の中には僕の居場所など もう無かった。 僕は子供の頃から 邪魔な存在だった 産まれて来ては いけない子供だった・・・
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