始まりの始まり

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僕達はどんなに離れていても、どこにいても、一緒だから そう言って彼は死んだ。病院の廊下、担架で運ばれている途中で彼は息を引き取った。 担架に縛り付けられている彼は、その僅かな隙間から手を伸ばして、担架と併走する私の手を握りしめた。 彼は昔から言っていた。 ‘いつか人は死ぬ、でもそれには必ず理由があるんだよ, そう言う時、必ず彼は笑う。私がその言葉を不思議がっているのに、彼はお構いなしに私の手を握る。 そう、担架の上で、最後に私の手を握りしめたように。    また、会いましょう
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