日常

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「ねぇ、空」「ん?」 運転中の俺に後部座席に座る紫が身を乗り出し話しかけてくる 現在はちょっと遠めのデパートに向かっている 茜がどうしてもそこがいいらしいのだ 当の本人は、助手席で携帯に没頭中 「なに?」 「財布持ってきてないから」 「は!?」 一瞬ハンドル操作をミスしてしまい車体が揺れる 隣から、なにすんのよ!という声が聞こえるが知ったことではない 「財布、持ってきてないのか?忘れたじゃなく?」 「ええ」 「ってことは俺が払うの?」 「ええ」 「…………帰るぜ」 「許すかバカ兄!」 また一瞬ハンドル操作をミスして以下略 脇腹に拳が突き刺さっている 「おい……妹、事故するって」 「大丈夫、私とお姉ちゃんは」 「俺は!?」「死ねば?」 「涙で……前が見えない…だと…」 「はぁ、紫はないとして、茜は?」 「財布?ないよ」 「俺が財布?」「「もちろん」」 ああ 天国の両親、おじさんおばさん どこで育て方をお間違えになったので!?お兄ちゃんは悲しいです おもに財布事情が 「ったく……わかったよ。今日は俺が払うよ」 「ありがとうね、空」 「いいって、昨日はなにもしてやれなかったから」 「ふふ、そうね」 紫はにっこり笑って座り直す 座って大人しく笑ってる姿は綺麗な美人だが…… っと 隣の妹が睨んでる
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