〇白い月夜〇

2/13
前へ
/120ページ
次へ
「鬼春ー飯まだかー?」 「鬼春?手伝おうか?」 「大丈夫!今持ってくよ!」 私がこの家で 暮らし始めたのは 1歳位の春だった。 鬼春という名前は 一緒に暮らしている 爺と婆が付けてくれた。 鬼のような 赤い目をした私が 春、家の門に 捨てられていたらしく、 12歳の誕生日を 過ぎてから、 私は爺と婆に 昔の話を聞かされた。 本当の孫じゃない事。 本当の親を 2人共知らない事。 家の門に捨てられていた事。 名前の理由。 それでも我が子同然に育て 3人で仲良く 暮らしていきたいという事も。 それから 今、この村で起きている 不思議な出来事の話も聞いた。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加