突然の悲劇

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「へ…?何これ…。」 TVに映っていたのは、なんとも恐ろしい、津波の様子。 そして、『東北で大震災』という文字。 私の心臓はドクドクと、鼓動をはやめていた。 「何これ…?津波?東北でって…どういうこと!?彩花達はっ…」 この時、ふとさっきの宮福さんの言葉が頭にうかんだ。 『彩花ちゃん、無事やとええなぁ。』 宮福さん…これのこと言ってたんだ…!! 「ねぇ、ママ!彩花達、どうなったん!?」 「うっ…わからへんよぉ。」 母は、泣いていた。すごく不安そうな顔をして。 「嘘…。こんなの嘘やろ…。」 私は、TVのリモコンを探した。 「あった!」 私は、チャンネルをまわした。 だけど、どこも、やっている内容は同じだった。 「うぅ…」 母が泣いているのに、私は全然泣けなかった。 現実を受け入れられなかった。 こんな地震、おきてない。東北は無事だって。 そうやって、自分に言い聞かせていた。
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