突然の悲劇

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「そうや!電話っ!」 私は急いで彩花のケータイに電話をかけた。 「………」 なんの音もしない。 いつも最初になる、プルルル、という音も。 「電話…つながらない…つながらないよ…。」 他の、元クラスメート達にも電話をかけたが、つながった人は1人もいなかった。 「どうしよ…どうしよう。」 「落ち着き…。」 母は、私の服の裾を掴んで、うろうろしている私を止めた。 「う…うん。うん…。」 私は母の横に、正座して座った。 大丈夫…。絶対大丈夫。 そう自分に言い聞かせながら、ゆっくりと深呼吸した。
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