58人が本棚に入れています
本棚に追加
「…よしっ。ねぇ、朱音。なんか食べよっか?」
母がわざとらしく明るく振る舞った。
もう泣き止んだんだ。やっぱり大人は強いんだね。
私なんか、まだ現実を見きれてないくらいなのに。
「…うん!実は今日給食あんまり食べてないの。不味かったから!」
私もわざとらしく、明るくこたえた。
「お菓子食べる?それとも、ガッツリ食べちゃう?」
「ガッツリ食べる!」
「よっしゃ!ちょっとだけ待ってね!」
「うん!」
私はそう言って、近くにあった漫画をとった。
漫画読んでるふりをしながら俯いて、静かに泣いた。
ねぇ、彩花。
私はどうしたらいいの?
最初のコメントを投稿しよう!