突然の悲劇

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「…よしっ。ねぇ、朱音。なんか食べよっか?」 母がわざとらしく明るく振る舞った。 もう泣き止んだんだ。やっぱり大人は強いんだね。 私なんか、まだ現実を見きれてないくらいなのに。 「…うん!実は今日給食あんまり食べてないの。不味かったから!」 私もわざとらしく、明るくこたえた。 「お菓子食べる?それとも、ガッツリ食べちゃう?」 「ガッツリ食べる!」 「よっしゃ!ちょっとだけ待ってね!」 「うん!」 私はそう言って、近くにあった漫画をとった。 漫画読んでるふりをしながら俯いて、静かに泣いた。 ねぇ、彩花。 私はどうしたらいいの?
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