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恒一は昔から星が好きだった。初めて星を見たのは五歳の頃だった。
その時も今日のように夜空は澄みきっていた。
暗い夜空を彩る宝石のようなきらびやかな星々の群れに幼い恒一はすぐさま魅了された。
恒一はその時から星を眺めるのが日課となった。
日毎の星の移動を図ったこともあれば一晩中星を見続けたこともある。
恒一の星の観察は12歳になった今日になっても続いていた。
「だけど、本当に良かったのかい?家族との海外旅行を断って僕と一緒に星座観察なんて」
キラキラした目で星を眺める恒一に求史は少し顔をこわばらせながら問い掛ける。
「ううん、いいんだよ。せっかくの記念日なんだから。それに僕は今こうしているのがすっごく楽しいよ」
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