プロローグ

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恒一は求史の問いにゆっくりと首を横に振る。 昨日、恒一を除いた父、母、妹の三人がハワイへと旅行へ行った。 昨日は妹の幸の生誕一年の記念日であり、今日は両親の結婚記念日である。 当然恒一も誘われたのだが、以前から約束していた求史との星座観察と自分がいない方が父と母は楽しめるだろうと、そんな子供じみた安易な考えから恒一は三人だけで行くように勧めた。 両親は最初こそ反対したが、自分は大丈夫だという恒一の再度の返答に留守中を求史に任せると日本を飛び立った。 実のところ、恒一はやや自分の考えに意固地になっていた所もあり、少し寂しかったのだがそれを打ち消すかのように今日の星の観察を一層楽しんでいた。
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