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目覚めし者
時計のアラーム音が耳元で鳴り響いた。
『ピピッ、ピピッ』という高い電子音に恒一は時計のスイッチを切ると静かに起き上がる。
朝食をトーストしたパンで済ませると、仏壇の前に座り静かに手を合わせた。
正面には父、母、そして当時赤ん坊だった妹、幸の写真。
六年前のロスト・ユニバーサル・デイと呼ばれる日に三人は亡くなった。
あの日、星の虹が空を覆ったとき、自分を含め日本にいた全ての者が意識を失った。皆の意識が回復したのは翌日の正午だった。皆がこの異常に騒ぎ出した。
そしてその日、人々は世界が失われた事が分かった。
あの日、求史に連れられ、町へと帰った恒一は町が大変な騒ぎとなっているのに気付いた。
騒ぎの一番の原因はテレビやパソコンが繋がらなくなったということであった。
すれ違う人々の中には昨夜の星が関係しているのではないかと話しているものもいた。
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