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俺は今、目覚めた時に見つけた一本道を歩いている。
この一本道は人が三人ぐらい並んで歩ける広さで、でこぼこだ。
周りは木に囲まれているけど、日光は遮っていないので明るい。
たまに足の裏に痛みを感じる程の石が落ちているのが不満なぐらいだ。
何の変哲もない道を進んでいく。
でも、変哲なのは俺のほうだと思う。
だって下半身だけに、大きい葉っぱ1枚を身に付けて歩いているのだから。
全裸よりはましだと思うけど、これじゃあただの変質者だ。
最初に会ったのが女の人だったら、どうしようか?
って思った時だった。
遠くから二人の人影が、こっちへ走って来てるのが見えたのだ。
まだだいぶ遠い二人。
顔は見えないが、体格からいって男っぽい。
それに何だか武装している様に見える。
普通の人なら知らない土地で武装している人が走ってきたら少しは不安になると思う。
でも俺は人に会えた、しかも男で良かった、としか思わなかった。
嬉しくなって二人の方向へ走り出す。
このあと大変な事が起きるというのに。
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