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目の前に立つ二人の男。
二人を見て呆然とする自分。
ここは絶対に日本だと思っていた。
その理由は日本語しか覚えていないから。
だが、目の前に立っている二人はどう見ても日本語が話せそうにない外国人さんだ。
左側は金髪で2mを越えているんじゃないかと思うような大男。
西洋風の鎧を身に付けていて手には槍を持っている。
右側には身長はさほど高くないが、体格ががっちりしていて黒いコートを羽織った男。
コートの間からは剣が収まった鞘が見えた。
「日本語わかる?」
とっさに俺の口から出た言葉だ。
そりゃそうでしょ。
話せなかったら色々と面倒くさい。
「どこから来たんだ?」
質問の答えになっていない台詞を喋るコートの男。
日本語を喋った事に少し驚いたが、とりあえず質問に答える。
「たぶん日本だと思うんだけど俺、何も覚えてな____」
俺の言葉が終わりかけたその時だった。
「やれ。ホワイト。」
俺の声に被るコートの男の声。
同時にホワイトと呼ばれた大男の槍先がもの凄いスピードで左頬をかすめていったのだ。
左頬に感じる微かな痛みと頬を伝う血の感覚。
あまりの速さに体は全く反応しなかった。
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