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奇声をあげて向かってくるコートの男。
もの凄い顔をしながら剣を鞘から抜く。
少し前の俺ならコートの男の気迫に恐れを感じただろう。
しかし、今の俺には変な顔をしているコートの男がゆっくり近付いてきているようにしか思えない。
なんだか笑えてくる。携帯があったら写メを撮りたいぐらいだ。
おっと……それどころではない。
この状況をどうしようか。
とりあえずコートの男の剣を華麗に避けて、考えようとした時だった。
《お前なら倒せる》
またあの声だ。
一体何者なんだ?どこにいるんだ?
何故、この声だけ普通に聞こえるんだ?
目の前にいる二人の声はスローモーションで聞こえるのに。
『この野郎!』
終わらない二人の攻撃。次は同時に仕掛けてくる。
このまま避けているだけじゃ永遠に終わりそうにない。
かと言って、顔と腹に傷をつけられたまま逃げる気もさらさらない。
あの言葉の様にすれば、この状況に終わりを告げる事が出来る。
それに出来そうな気もするし。
決めた………
コイツらを倒す。
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