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二人を倒す為に拳に力を込める。
その時、自分の身体がスローモーションになる前とは違う事に気付いた。
体の奥底から力が湧いてくる感覚。この感覚はどんどん膨らんでくる。
今なら岩でさえ拳で砕けるんじゃないかと思えるぐらいに。
これならコイツらを楽勝で倒せる。
ほぼ同時にゆっくりと向かってくる槍先と剣先。
まずは、左側にいるホワイトっていう大男からいくか。
俺は二人の攻撃を左側へ避けた。
槍先は右頬を剣先は右の横腹をかすめていく。
すぐさま構え直す為、伸びきった腕を戻そうとする二人。
通常の時間の進み方なら、一瞬の出来事だろう。
だが今の俺には十分な時間があった。
俺は力を込めた拳をホワイトのボディへ放つ。
鎧ごと、のめり込んでいく拳。
ホワイトは槍を落とし、苦痛な表情へと変わっていく。
俺はゆっくりと、のめり込んだ拳を引いていった。
拳に吸い付く様に前のめりになっていくホワイト。
よく格闘技なんかで手応えはあったなんて言葉を聞くけど、まさに今がそれだ。
決まった…としか言いようがない一撃。
ホワイトはそのままうつ伏せに倒れてしまった。
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