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「…てな感じで良いでしょ?」無駄に広い空間の片隅でソファーから腰を浮かせつつ…今日のプランを自信満々で説明し終えた俺だ。
《ドア》をくぐり作戦室へと移動したのである。
因みにその正確な所在地は立川市ではなく中央区…日本銀行の直下200mの地点だ。
何故に日銀、しかも地下なんぞに居るかと言えば…総てはエイリアンから供与、或は接収した物なのだ。
外界から完全に隔絶された地下空間は、危険物満載のエイリアン保全機構にうってつけの保管施設。
そしてその隔絶された空間への唯一の移動方法は《ドア》と呼ばれる…亜空間転送装置なのである。
時刻は午前八時。
俺のプランに対するカノー姉妹の反応は…
「さすがですゎ!功太さん!」「うん!空飛ぶ鉄が見られるならい~よ!」と、なかなかの好感触である。
因みに、タレイアの言う空飛ぶ鉄とは飛行機の事だ。
元々、地下世界に暮らし、そもそも羽を持つ彼女からすれば…金属の塊が空を飛ぶ事が何とも興味深いのだろう。
そんな中で終始うかないのは弁天様だった。
全員の希望を叶えるべく、プランを練っている最中も…
『神社仏閣が入っていないではないかっ…』と、ボヤキ捲りだったのだ。
俺と彼女は一心同体。
だがしかし、考えやイメージ等の脳内情報はコチラが一方的に覗かれるだけ…正確に表すならば俺達は二心同体なのである。
何にせよ今日の道程は…
羽田空港で飛行機を観ながらランチにして、都内に戻りつつも品川水族館でイルカショーでも見物するのがベストだと判断した俺だ。
尚も、頭の中では褐色の女神様がブツブツと溢す中、カノー姉妹に声を掛る。
「二人共そろそろ出発し…!」と!語尾を打ち消す様に、それはズガン!と現れた。
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