出発…

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と、山小屋な武器庫の出入口からコチラを伺う視線が二つある事に気付いた俺だ。 サラサラ金髪の外国人青年はウィリアム君である。 端正な顔立ちに紺碧の瞳、外形は爽やか度数100%なのだが前巻末付近に登場したものの全く見せ場なく終わった不幸な登場人物だ。 己の周囲に金粉を撒き散らしているのかと見まごうばかりの爽やか青年のウィリアム・フリードマンなのだが… 一皮脱いだ中身が問題なのだ。小柄な体格に鈍い銀色の肌… 身体に比べ大きな頭部に白眼のない大きな瞳のアレ…かの有名なグレイ族。 つまりエイリアンなのだ。 もう一つの視線は園部カスミ。こちらは至って普通の地球人であり俺の高校時代のクラスメイトでもある。 小柄で控え目、取り立てて目立つタイプではないが、立ち振舞い一つとっても清楚さを醸し出す、いわゆるお嬢様である。 父のサルベージ計画の最中に再会したのだが…その時点での彼女は死んでいたのだ。 大学在学中の不幸な事故で、あの世へと帰依していたカスミだが、あの世で路頭に迷う俺を助けた事で輪廻の輪から外れてしまい…消え去る運命となっていた。 そんな彼女を憐れんだ創造の神ブラフマーが気を効かせ…前回の大騒動、世界再構築のどさくさに紛れ彼女の死を無かった事にしてしまったのだ… とまぁ、衛履安保全機構とは一癖も二癖もある連中が集いし場所なのである。 と、主要キャラの紹介を終えた所で《ドア》が光を放った。 一瞬後、そこには男性が一人。転属君を通って来たのだ。 男が口を開く… 「す、すみません。遅刻しま…ングゥーーーーーーーッ!!」声半ばで京ちゃんの鷲脚二連撃を喰らい天井へとメリ込む!? 「今日は休みやでっ!」背中越しで言い捨てるバッドでマッドなサイエンティストである…
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