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奏海「…終わらん」
山積みされた書類を見て、ため息がつきない。
夕方になり、外は若干暗くなってきていた。
奏海は決して仕事を溜めていた訳ではない、今回は。
記念日は楽しく過ごす、そんなことを言っていられるのは一般の隊士や三席以下の席官ぐらいである。
とはいえ、副隊長も仕事を終えてしまった。
やはり、こういう所にも隊長と副隊長の差が出ていた。
尹緒「失礼します」
やってきたのは、夕葉尹緒。
明るいオレンジ色の腰まである髪は毛先を赤いリボンで結んでいる。
奏海同様に肌が白い。
目の色は濃いオレンジ。
そして、彼女は席官候補の1人である。
まだ席官入りは未定だが、奏海はそろそろ考えようかと思っている。
尹緒「隊長、まだ終わりませんか?」
奏海「うん、宴会には間に合わせるよ」
尹緒「そうですか、頑張ってください。
では、頑張っている隊長にこれを」
尹緒は醤油煎餅を手渡した。
奏海「わぁいっ、醤油煎餅だー!」
奏海はお菓子をこよなく愛する。
お菓子1つで機嫌が変わる。
奏海「頑張るね!」
尹緒「はい、頑張ってください!」
そう言って、尹緒は部屋を出ていった。
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