飛び出せ!!!

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奏海は少し俯いて顔に手を持っていき、何かをした。 何をしたかは、奏海が俯いていたので分からなかった。 そして、顔を上げた奏海を見て、隊士たちは驚愕の表情を浮かべた。 奏海「今まで黙っててごめんなさい。 あたしの左目は見えてません」 突然のカミングアウトだった。 この場にいる者で、奏海の左目のことを知っているのは巧だけだ。 しかし、巧はそれ以上のことは知らなかった。 奏海の左目は、青白色ではなかった。 左の瞳は、灰色だった。 奏海「昔、任務でしくじってから、ずっと片目で生活してた。 隠してた訳じゃないけど、変に心配されたくなかったから今まで黙ってた。 でも、仲間に隠し事はやっぱ良くない。 そう思って、今日、言うことにしました。 あっ、でも、ホントになんともないから、今まで通りに接してね! お願いね!」 隊士はすぐに返事は出来なかった。 混乱するのも無理はなかった。 実は左目は見えていませんでしたと言われて、びっくりしない者はいない。 しかも、今までそんな素振りは全くなく、かつ、それ以上に隊長として活躍してきた人だ。 黙っていたことに対して怒りはないが、反応に困る、というのが正直な心情だ。 奏海は呆れられるかと思っていた。 最悪怒りをかうかとも。 しかし。 桃花「…言ってくれて、ありがとうございます」 桃花のその一言に、全てが詰まっていた。 桃花の言葉に皆頷いた。 奏海「こちらこそありがとう! これからもよろしくねっ!」 隊士たち「よろしくお願いします!!!」 こうして、再び1つになった十四番隊は、また新たな歴史を築き上げるべく、走り出した。
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