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ふと桃花が呟いた。
桃花「最近はホントに何もないね」
それを聞いた奏海が煎餅を頬張りながら答えた。
奏海「そうだねぇ、平和だよ」
巧「何もないのが一番だよ」
巧もうなずく。
桃花「それもそうですね」
お分かりのように、桃花は霊術院での同級生である奏海に対しては隊長ではあっても敬語なし、巧には副隊長であって、かつ、それ以外の関係はないので敬語を使う。
これは桃花に限らず、十四番隊の隊士たちのほとんどに言えることで、言葉の使い分けがうまい。
故に気疲れすることが少ないのだ。
そういう意味でも、十四番隊はのびのびした環境だと言えよう。
奏海「あ、先にあっち片付けてこようっと」
お茶っ葉を出しっぱなしにしていたことを思い出し、炊事場へと奏海は向かった。
奏海が立ち上がって去ったあと、しばらくは無言だった巧と桃花だが、巧が空になった湯飲みをテーブルにおきながら気になっていたことを桃花に尋ねた。
巧「かなとももは同級生だったよな?」
桃花「そうですよ」
巧「かなはどんな感じだった?」
巧は、学年は2つ上だった。
それ故、霊術院での奏海の様子はあまり知らない。
桃花「今とは全然違いますね。
あの頃は今とは正反対でした。
喋らない、笑わない…そんな感じでしたから…」
巧「そうか…」
過去の"あの日"以来、霊術院で再会するまで奏海の生死も分からなかった巧。
確かに、再会した時、昔とは違うなとは思ったが…。
ガシャーン!!!
奏海「ギャー!!!」
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