―Ⅰ―

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「輝くん、どうしたの?」 遙が不思議そうな顔で僕を見て 「ね、おひたしもっとちょうだい」 と言った。 結局、焦る気持ちを押さえつけておくことは出来ず 「・・で?」 と、おひたしを取り分けてやりながら僕は言う。 「・・で、って?」 遙は紙皿を受け取りながらきょとんとしている。 「だから、遙ちゃんは嬉しいの? そのアイドルな男の子たちが同じクラスだと」 ため息をつきたい衝動を堪え、できるだけ優しい口調で訊く。 「・・・輝くん、なにか怒ってるの?」 遙がすこし怪訝な顔をした。 「・・・怒ってないけど」 「でも、顔がすこしこわいよ?」 「・・・」 どうやら口調にとらわれすぎて、顔のほうに出てしまったらしい。
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