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「さぁ旅のお方。これを持ってお行き」
宿屋のおばちゃんから食糧と水を貰った。
荷物袋に入れ、肩に掛ける。
「あと、これも持ってお行きな」
気前のいいおばちゃんのようだ。黒薔薇は、彼女から長剣を貰った。
その剣は、まるで黒薔薇の為に造られたような質感だった。手に馴染む掴手部分。腰に剣を掛けてる事を知っているように造られたベルト。
「あんたはぁこの剣が合うさ。…その短剣はどうするかい?」
「……」
お願いします、とばかりに腰に身に付けていた短剣をおばちゃんに手渡した。その代わりに貰った長剣を早速、腰に身に付けた。
「この道を進むと、山賊が沢山おるからねぇ、気いつけてな…あ、この短剣は私が貰ってもええかい?」
これからの旅路に心配そうな顔。
黒薔薇は頷き、おばちゃんにお辞儀をすると、その道中の宿屋を後にした。
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