-Rose3 橙と金髪の男-

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  「さ、此処から砂漠地帯に入るぞ…」  砂漠に踏み入れば、陽射しが益々、一行に降りかかる。陽射し避けのコートを身につけているにも関わらず、汗が流れ出てくる。 「うぅ暑い…」  白薔薇は手で扇ぐ。カーナの方が辛い筈なのに、いい気なもんだ。 「…フー…フー」  黒薔薇の辛い息遣いが聞こえてくる。止まっては、赤薔薇を背負い直す動作を何度も繰り返す。 「赤薔薇…乗せるよ?黒薔薇」 「いい」  即答だった。  さっきから辛い筈なのに彼は断り続けるのだ。  黒薔薇には話を聞いた。尚更、赤薔薇をカーナに乗せるべきだと彼女は思っていた。  しかし、彼の気持ちなど、白薔薇にはまだ分からなかった。  黒薔薇は、こうなったのも自分のせいだ、とその戒めに赤薔薇の辛さを自分にも与えていた。赤薔薇の辛さには到底届かないのは、分かっている。けれど、なにもしていないよりも何かしていないと悪くて仕方がないのだ。
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