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数時間歩き、砂漠の中にぽつりと大きな巨大岩を見つけた。その下で休憩することにした一行は、この岩に感謝する。
冷たい岩の上で眠る赤薔薇は、静かに吐息を立てていた。
日陰で砂漠よりも急激に涼しくなったこの場所は、汗を飛ばしてくれる。流れ出ることも辛くもない。
「…しょうがない。夜まで待つ」
白薔薇は、頷く。
本当は、早く村に行きたい気持ちを抑えて、赤薔薇にこれ以上辛い思いをさせない方法をとった。
カーナも限界に来ているようで、座り込んで目を閉じて、休んでいた。
あれから、何時間経ったのだろうか。外を見るたび、目を疑ってしまう。
太陽が、一向に沈もうとしない。いや、動こうとしないのだ。ずっと、南の位置から微動だにしない。
「・・・は?なにこれ?砂漠ってそうなの?」
そんな訳がない。
沈黙が流れた。ふと、岩影で人影が動いた。
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