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「何なのこれ!!?」
それを見た瞬間、白薔薇が叫んだ。
聞いてもなかったし、首に布を巻かれてたのは、この為だったなんて気づきもしなかった。
「黒百合の毒の糸だな…」
彼はそう言った。
「その名も、poison―「そのままじゃん」
白薔薇が割って入った。彼の顔が引きつる。
「白薔薇…」
「ぁ、すいません…」
黒薔薇の言葉に白薔薇は小さくなる。
「ゴホン、俺の名言ってなかったな」
気を取り直したようで、彼が口を開き、右袖をたくし上げ
「俺は、“オレンジの薔薇”!!皆からは変だが、オレンって呼ばれてんだ!」
仁王立ちになる。
「エラソーに」
白薔薇がポツリと不愉快そうに呟いた。
「煩せー!チビの癖に!」
「なっ!あんたとあんま背変わらないでしょうが!?」
「なんだと!?」
いがみ合う。
と、シュルルル、と小さな音で鞘から剣を抜く音が聞こえた。
「・・・お前ら、そんなに炎天下の下で干物になりたいのか?」
「「!!?」」
睨む黒薔薇が視界に入った。赤薔薇が起きる、とばかりに睨んでいた。その手には、鞘から抜かれた剣。
すいません、と二人は小さく縮こまった。
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