-Rose3 橙と金髪の男-

8/54
前へ
/737ページ
次へ
  「うぅ…」  口を閉じた頃、赤薔薇が唸った。ゆっくりと瞼を上げ、こちらを向いた。  黒薔薇が、起きたじゃないか、とばかりに二人を睨みつけた。二人は苦笑。 「・・・黒、白・・・あとアンタ誰?」  オレンと白薔薇は、ずっこける。 「新しい仲間よ、赤薔薇」 「…そう…なの…」  そう言って、赤薔薇はゆっくり目を閉じていってしまった。 「赤薔薇!?」  白薔薇は驚き叫んだ。黒薔薇が慌てて、赤薔薇に駆け寄った。 「大丈夫だ。眠ってる」 「…良かった」  ホッと安堵した。 …毒…あれ?…やばくない?  ふと、白薔薇はそう思った。 「…急いだ方が良い。彼が危ない」  オレンの言葉に二人は顔を見合わせた。 「村まであとすこしだ。そこに材料も道具も完備してる」 「・・・貴方がするの?」 「あぁ。俺は医者だ。俺だけだ。まだ卵だが、腕はたつ。まかせろ」  また二人は顔を見合わせ、一つ頷いた。 「宜しく頼む…」  黒薔薇の頼みに自信満々にオレンは、頷き笑ってみせた。
/737ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加