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ふと、黒薔薇は気付いた。さっきの男の子が少し先を歩いている。少し側に駆け寄ってみた。
「・・・すまないが」
「!!」
話し掛けようとしたが、男の子は肩を跳ね上げて、振り向きもせずに慌てた様子で先へと走り去って行ってしまった。
「・・・怖がらせてしまったか、な」
溜め息を吐く。
気を取り直し、歩みを進めた。
途中、熊に襲われたりもしたが、死闘の闘いを潜り抜け、先へと次々に進んでいった。
黒薔薇は考えていた。先程から出逢う男の子。
近くに街でもあるのだろうか。しかし、あんな小さな男の子が一人で山に行かせる親はなんて不謹慎なのだろう。
陽は少し沈みかけている。
三時を回ったのだろう。先を急がねば。
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