-第一輪 新たなる旅立ち-

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1  XX44年。  空は快晴。雲一つ無い。  太陽の陽を浴びながら、一羽の青い鳥が翼を扇いで、天へと舞う。  黒薔薇は七歳の時に旅を始め、色んな人と出逢い、今は十八歳である。  その姿は、鋭い眼、瞳は何かを見透かすような漆黒の色。髪は、まるで闇夜を表す程の黒さ。光に当たる度にキラキラと髪が光る。容姿は、黒一色そのものであった。  先ず、何故旅をするのかは、彼には記憶が無かった。それに旅を止めるにも、家族も、帰る家も無いからだ。  今、黒薔薇は道中にあった小さな宿屋から丁度、旅の続きを再開する所であった。  さて、次の行き先は何処だろうか。地図を開いた所で、概ねの場所の範囲しか分かっていない。  街があれば寄る。何かあれば寄る。それを今までずっと続けてきた。
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