-Rose2 百合の花-

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  「ぐっ、っ…!」  どんどん首を絞められていく。  視界が薄れてくる。  瞼が閉じるその時だった。 「手を離せ……黒百合」  黒百合は、え、とした顔で振り返る。 『おやおや、起きてしまったか…』  赤薔薇の首から手を離すと、彼はゴトリ、と床に落ちた。  咳き込んだ後、赤薔薇は意識を失った。 「それでいい。さっさと青百合達の所へ帰れ…」  顔を険しくさせながら、黒百合を睨む。まだ起きて間もないせいなのか、体が重い。 『寝起きで体が重い筈…えぇ分かりましたよ…帰ればいいのでしょ?』  そう言って、窓に手を掛けると体の周りを黒百合の花びらが舞い散り、その場から消え去った。  黒薔薇は重い体を引き摺りながら、赤薔薇の元に寄ると、抱き抱えた。 「…すまない、赤薔薇…っ」  赤薔薇を抱き締めた。そのからだは、フルフルと震えていた。
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