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白薔薇が街の散歩から帰ってくれば、二人の立場が逆になっていることに驚いた。
「ぇ、なんで黒が起きてて、赤薔薇が寝てるのよ!?」
混乱する。
「…話は後だ。街から出るぞ」
「ぇ?!」
黒薔薇は旅の支度をしながら、深い溜め息を吐いた。
「…何なのよ、もう」
白薔薇も溜め息を吐いた。
ーー出口門前。黒薔薇達は居た。
黒薔薇は赤薔薇を背負っていた。
赤薔薇…目を覚まさない。
白薔薇は、俯く。
「すいません黒薔薇さん。この街には、有能な医者がおりません。この先の村から来る医者がおりますが、その日までまだ先で」
「あぁ。分かった。世話になった」
黒薔薇は赤薔薇を背負い直す。
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