-Rose2 百合の花-

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 ダンルは寂しい顔を浮かべる。 「そうだ…これ」  そう言って、ダンルは茶色い袋を黒薔薇に手渡した。  黒薔薇は手を出す。ダンルは彼の手のひらに乗せる。ジャラリ、とお金の音がした。 「あのときの10000ギルです」 「…そうか」  それ以上何も言わずに懐にしまう。 「では、御気を付けて…」  ダンルは、深く、深く、御辞儀をした。 「…あぁ」 「ありがとうございました」  黒薔薇と白薔薇の声が聞こえた。  ダンルが顔を上げた時には、黒薔薇達は豆粒程になっていた。 ー御気を付けて、黒薔薇さん。貴方は…。  ダンルはまた寂しそうな顔をさせていた。  彼は、何を知っているのだろう。
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