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街を後にした一行。
一向に目を覚まさない赤薔薇に、何も教えてくれない黒薔薇。
「ねぇ。黒薔薇」
カーナに乗る白薔薇は、隣を歩く黒薔薇に問うた。
「どーして、赤薔薇、目を覚まさないのよ…?」
「・・・あとで話す」
その言葉に白薔薇は俯いた。
しばらく歩き続けた一行は、岩壁に隔てられた場所に辿り着いた。
岩が幾重にも積み重なった壁に隔たれた場所。
一つの岩が崩れれば、全部壊れてしまいそうな岩の塊。しかし、それは有り得ないだろう。一つ一つ別に見えるようだが、これは元は大きな一つの岩。長年の月日で風化や砂で削れたものだ。
その岩壁と岩壁の間を一行は歩いていく。
「崩れないよね?」
白薔薇は周りをキョロキョロする。ふと、何処かから声が聞こえてくる。
一行は歩を止めて、周りを見渡した。
「きゃっほぉぉぉぉぉい!!!!」
男の子の声だ。一行は辺りを見渡す。
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