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 渋滞を避ける為に午前九時に、あの家を出発したらしいが道路は少し混んでいた。今回、危険はないから本来、気にする事ではないが俺はアクセルを思い切り踏みつけるかポケットの拳銃を前の車に撃ち込みたくなった。    トンネルに入るとフロントガラスに自分の顔が写った。頬を膨らませて拗ねていた。      後部座席からはプラティさんの楽しそうな声と子供の少し緊張した声。     「ベタくんは理科が得意なんだ。今の授業って何してるの?」     「昨日は、ペットボトルを自転車の空気入れで飛ばしました」     「私もそれやったよ。ロケットみたいなのでしょ?」     「はい」      赤信号。俺も後ろを振り返って話に混ざってみる。     「プラティさんって苦手な教科なさそうですよね」     「得意なのは歴史だけだったわ。    で、ベタくんさ。あのロケットって凄い飛ぶよね」      プラティさんは俺より、ついさっき預かって来た子供との会話に夢中だった。しかも子供をヒザの上に乗せていた。そこは俺専用の特等席だ。    それに最近は忙しかったからロクに構ってもらえなかった。    これが終わって午後から明日まで休みだから楽しみにしててと言われたが忘れてないか不安になる。    この様子だと、もしかしたら本当に忘れてそうだ。
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