503人が本棚に入れています
本棚に追加
話はとある通学路から始まる。眩しい太陽の光が差し込む今日この頃。
「だりぃ……」
和泉翔太(イズミショウタ)16歳。高校2年生。
そんな俺は、初夏前の眩し過ぎる日差しの下を中身がほぼ空に近いスクールバック片手に通学中。
回りの後輩や、同級生が太陽と同じ位眩しい笑顔で俺を通り抜かして行く。
正直、二年生になれたのも奇跡だと自分で思う。再試験の四択問題を鉛筆転がして運良く進級出来たからだ。
正直高校も辞めようかと思った。毎日朝早く起きて、何の為に勉強しなければいけないんだよ?
大学に入らないと人生負け組? 大学に進学した奴だって殆どの奴が負け組なんだぜ? 勝ち組なんて人生で3割も居ないだろ。
そんな中で勉強をする意味が未だに分からず……先週行われた中間テストでは学年最下位に君臨した。
まぁ……それでも赤点は2つ。筆記の現代文と数学だけ。他は得意の鉛筆転がしで40点代さ。自分でも驚きの強運の持ち主だったりする。
遂には親にも見離されてしまうた。今の俺は……酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐き出す環境に悪影響な存在。
人生って……何が楽しいんだろう。
「はぁ……今日も屋上でサボっかな」
目の前に広がる校舎の屋上を眺めてポツリと呟いた。
幸にも今日は天気が良い。めんどくさい事は嫌いだが、楽な事は好きだ。
最初のコメントを投稿しよう!