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渡部友和
あるお店でアルバイトをしてました。
まだ入ってばっかで何にもわかんない…。
「新しい子??」
引くい声で話し掛けられ、ビクつく。
「はヒッッ!!」
すると彼が笑う。
「びっくりしすぎやろ(笑)」
彼は、眼鏡のぽっちゃり。
けしてイケメンとは言えなかったが、声はかっこいい…
「わからんことあったら、聞いていいよ。」
彼は気前よく言った
「はい。ありがとうございます」
「歳、いくつ?」
「えっと、…16です!」
「何その間(笑)つか若ッ!!」
このおじさんは、きっともう30くらいかな??
「うんと…」
名札を見て、続ける
「渡部さんは…何歳ですか??」
「えっ!?俺、19!!」
「…へえ……。そ、そうなんですか…。」
(いくら新人だからってそんな嘘……
和ませようとしてるのかな??)
しかし、彼は嘘、という言葉を言わなかった。
この日は客も少なく、二人でたわいもない話をしていた。
「お疲れ様です!!はぁーっ疲れたあ!」
「なあ、良かったら、アドレスとか交換よーぜ!?」
この頃、まだ幼いお馬鹿な私は、『〇〇しようぜ』とか『〇〇ぜ』とか語尾に『ぜ』を付ける話し方に凄く惹かれた。
(渡部さんってかっこいい…)
不思議と眼鏡のぽっちゃりのおじさんが格好よく見えた。
よく見ると、手も大きくて綺麗…にみえた。
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