195人が本棚に入れています
本棚に追加
エクトプラズムって解るだろう?
「ああ。勿論分かるとも。霊とかを物質化、視覚化する際のエネルギーまたは半物質といわれるものだろう」
「ああ。だがそれが解明されていないのさ。お分かり?」
そう言いながら俺の隣に座る少女は俺のスマートフォンを勝手に弄ってなぜかインベーダーゲームをやっている。いったいいつの時代なんだっていうんだろうか。とりあえず俺のスマフォだから返して欲しいんだけど。
「ああ。ちょっと待って。今UFO出たから」
「いやおいちょっと待て。それおれのだし」
「いいじゃん女の子の頼みくらいちょっち聞いてよ」
そんなふくれっ面されても困る物は困る。というかどうして一体彼女がここにいるかってのも俺は知らない。気付けばここにいて、そして俺のスマフォを強奪してインベーダーゲームをずっとプレイしている。まあ懐かしさからするのかもしれない。それは俺にだって解るけど、だからって人のスマフォを強奪してまでしたいことなのか。
「だって、あんた。この格好見て言えるわけ?」
そんなことを俺が言う前に少女はそんなことを言った。彼女は足の方を指差した。俺はもう分かりきってるけど、そっちを見た。
――少女の足はなかった。
そう。つまりどういうことかと言えば。
彼女は幽霊だったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!