破壊

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宝はなぜか、俺に執着している。 明らかに彼女より下な俺を大切だと、大事だと言う。 小学生の時は単純に嬉しかったが、今は違う感情が付き纏うようになった。 ――どうして俺なんだろう。 宝は少し変わっているが美人で、愛嬌がある。 そのおかげで、性別を問わず人気がある。 幼なじみだからと俺に執着する理由はない筈だ。 何で、という問い掛けがつい口に出始めたのは、いつからだったか。 「…………」 終わりの見えない思考から逃れるようにして、窓を見る。 窓の向こうでは、予報外れの雨が降っていた。
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